秋季兵庫県高校野球大会(県高校野球連盟主催、朝日新聞社など後援)の決勝が7日、ウインク球場であり、報徳学園が須磨翔風を破って2年連続の優勝を決めた。3位決定戦では社が長田を下した。報徳学園と須磨翔風、社の3チームは21日に大阪市の大阪シティ信用金庫スタジアムで開幕する近畿大会に出場する。近畿大会の成績は、来春の選抜大会の出場校を決める際の選考材料となる。(森直由)
【決勝】報徳学園3-2須磨翔風
◎…報徳学園は四回、西川のスクイズで先制し、続く徳田の内野安打で加点。六回にも徳田が適時打を放った。投げては今朝丸と間木の継投で逃げ切った。須磨翔風は六回、榧谷の適時打と敵失で2点を返して1点差に迫ったが、終盤の好機を生かせなかった。
全試合投げ抜いた 須磨翔風・槙野遥斗投手
須磨翔風のエース槙野遥斗投手(2年)は、六回2死三塁のピンチを迎えた。しかも打者の報徳学園・徳田拓朗選手(2年)には四回に適時打を浴びていた。
「まずはボール球から入ろう」。だが初球のスライダーが甘く入り、決勝点となる適時打に。「この1点は痛かった。自分の力不足です」と振り返った。
兄が須磨翔風の野球部にいた影響で入学し、2年春からエースに。今大会を1人で投げ抜いてきた。
連投を続けていたため、6日に中尾修監督から聞かれた。「決勝は投げられるか」。疲れもなく、調子も良かったため、即答した。「先発で投げたいです」
報徳学園とは初対戦。「下位まで好打者がそろい気が抜けなかった。優勝したかったです」。それでも同校初の近畿大会出場に貢献した。「(近畿大会で)まずは1勝して、甲子園に行きたい」と力を込めた。(森直由)
【3位決定戦】社9-0長田(7回コールド)
◎…社は二回に竹田の犠飛で先制し、三回には西垣の適時二塁打と戸田の犠飛で加点。五回には打者10人の猛攻で6長短打を放ち、一挙6点を奪った。長田は七回に園田がチーム初安打を放って意地を見せたが、社のエース福田の低めの変化球を攻略できなかった。
「この悔しさバネに」 長田・松崎和真投手
「ここから攻撃のリズムをつくることができる」。長田の先発の松崎和真投手(2年)は、四回に低めに球を集めて社を初めて三者凡退に抑えると、何度も手をたたいて喜んだ。
1日の須磨翔風との準決勝では2番手で登板し、1安打無失点に抑える好投をしたが、2―3で敗れた。「相手と力の差は感じなかった」。試合後に悔しさをにじませたが、すぐに3位決定戦での先発を告げられた。
「しっかりと準備をして、絶対に勝って近畿大会に行く」。1週間近くかけてストレッチやキャッチボールで体を調整し、勝って校歌を歌う姿を何度も想像してきた。
だが「気持ちが入りすぎて力んでしまった」。二、三回に高めに浮いた球を打たれて失点。五回は「四球にしてはいけない」という意識から、甘く入った直球を適時打にされ7点目を失い、マウンドを降りた。
「この悔しさをばねに、これから練習に励んで、来年の夏は優勝して甲子園に行きたい」(森直由)
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル